レポートや論文を作成する際、「感じる」という言葉を使いすぎてしまい、表現に悩んだ経験はありませんか。「感じる」は便利な言葉ですが、主観的で曖昧な印象を与えやすいため、客観性や具体性が求められるレポートの文章では、より適切な表現に言い換えることが望ましい場合があります。特に、レポートで「考える」が多いと感じたり、「考える」を使うのはだめなのでは、と悩んだりする方もいるかもしれません。また、「強く思う」や「だと思う」といった表現も、レポートにおいては慎重に使う必要があります。「考えた」ことや、誰かが「言っていた」ことを記述する際にも、適切な言い換えが求められます。この記事では、レポート作成で「感じる」の言い換えに困っている方に向けて、具体的な言い換え表現を幅広く調査し、レポートで使いやすい表現を一覧で紹介します。「感じる」の言い換えを論文で探している方にも役立つ情報を提供できれば幸いです。
この記事を読むことで、あなたは以下の点を理解できるでしょう。
・レポートで「感じる」を避けた方が良い理由と、具体的な言い換え表現が豊富にわかるようになります。
・「強く思う」「だと思う」「考えた」「言っていた」などの表現をレポートで適切に言い換える方法が見つかります。
・レポートで「考える」が多い場合の対処法や、客観性を保つための表現のヒントが得られます。
・状況や文脈に応じて最適な言葉を選び、説得力のあるレポートを作成するための語彙力が向上します。
レポートにおける「感じる」の言い換え表現を探る
ここではレポートにおける「感じる」の言い換え表現について説明していきます。レポートは客観的な事実や分析に基づいて論理的に記述されることが求められるため、「感じる」という主観的な表現は、場合によっては避けた方が良いかもしれません。しかし、完全に排除するのではなく、文脈に応じてより具体的で客観的な言葉に置き換えることで、レポートの質を高めることが期待できます。どのような言い換えが可能か、順に見ていきましょう。
レポートで「感じる」を避けるべき理由
「感じる」の基本的な言い換えパターン
思考や判断を示す言い換え表現
印象や評価を示す言い換え表現
推測や可能性を示す言い換え表現
感覚や気づきを示す言い換え表現
レポートで「感じる」を避けるべき理由
レポートで「感じる」という言葉を多用することを避けるべき理由はいくつか考えられます。最も大きな理由は、レポートが客観的な事実やデータに基づいた分析、考察を記述する文書であるためです。これに対して「感じる」は、書き手の主観的な感覚や感情を表す言葉であり、その根拠が曖昧になりがちです。例えば、「この結果から問題が大きいと感じる」と記述するよりも、「この結果は〇〇という問題を示唆していると考えられる」や「この結果に基づけば、〇〇という問題の深刻さがうかがえる」のように表現する方が、より客観的で説得力のある印象を与えるでしょう。また、「感じる」は非常に広い意味を持つ言葉であるため、具体性に欠けるという側面もあります。「違和感を感じる」という表現では、具体的にどのような点に違和感があるのかが読み手に伝わりにくいため、「〇〇の点において整合性が取れていないように思われる」や「〇〇のデータと△△の記述の間に矛盾が見られる」のように、具体的な箇所や理由を示すことが重要です。さらに、「感じる」を多用すると、文章全体が稚拙で感情的な印象を与えてしまう可能性も否定できません。特に学術的なレポートやビジネス文書においては、冷静かつ論理的な記述が求められるため、主観的な「感じる」の使用は慎重になる必要があるかもしれません。これらの理由から、レポート作成においては、「感じる」をより客観的で具体的な言葉に言い換えることを検討する価値があると言えるでしょう。
「感じる」の基本的な言い換えパターン
「感じる」という言葉をレポートで言い換える場合、いくつかの基本的なパターンが考えられます。どのようなニュアンスを伝えたいかによって、適切な言葉を選ぶことが大切です。まず、思考や判断の結果として何かを「感じる」場合には、「考える」「思われる」「判断される」「考察される」などの言葉が使えます。例えば、「重要だと感じる」は「重要だと考える」「重要であると思われる」のように言い換えられます。次に、何かを見たり聞いたりして特定の印象を「感じる」場合には、「見受けられる」「印象を受ける」「見て取れる」「うかがえる」などが考えられます。「変化を感じる」であれば、「変化が見受けられる」「変化がうかがえる」といった表現が可能です。また、確信度は低いものの、何らかの可能性や傾向を「感じる」場合には、「推察される」「示唆される」「可能性がある」「傾向がある」などが適しています。「危険を感じる」は「危険性が示唆される」「危険の可能性がある」と言い換えられるかもしれません。さらに、調査や分析を通して何かに気づいたり、特定の感覚を得たりした場合には、「認識する」「把握する」「読み取れる」「判明した」のような言葉を使うこともできます。「課題を感じる」を「課題として認識される」「課題が明らかになった」とするなどが考えられます。これらの言い換えパターンを参考に、文脈に合わせて最も的確な表現を選ぶことで、レポートの客観性と具体性を高めることが期待できます。レポートの言い換え一覧として、これらのパターンをストックしておくと便利でしょう。
思考や判断を示す言い換え表現
レポートにおいて、自身の思考プロセスや分析に基づく判断を示したい場面で「感じる」を使いたくなることがあるかもしれません。しかし、より客観的で知的な印象を与えるためには、思考や判断を明確に示す言葉を選ぶことが推奨されます。例えば、「このデータから、Aが原因だと感じる」という表現は、「このデータに基づき、Aが原因であると考える」や「このデータは、Aが原因であることを示唆していると判断される」のように言い換えることができます。「考える」は、自身の思考プロセスを経た結論であることを示し、「判断される」は、客観的な根拠に基づいて結論を導き出したニュアンスを含みます。また、「考察される」も有効な言い換えです。「この現象について、いくつかの要因が関係していると感じる」は、「この現象には、いくつかの要因が関係していると考察される」とすることで、より深く分析した結果であることを伝えられます。さらに、「思われる」や「考えられる」は、断定を避けつつも一定の根拠に基づいた推論を示す場合に適しています。「このアプローチが有効だと感じる」は、「このアプローチは有効であると思われる」や「このアプローチが有効であると考えられる」と表現することで、断定的な響きを和らげつつ、自身の見解を示すことが可能です。これらの表現を使い分けることで、「感じる」という主観的な言葉を避け、レポートの内容に論理的な説得力を持たせることができるでしょう。レポートで「考える」が多いと感じる場合でも、これらの類語を適切に使い分けることで、表現のバリエーションを豊かにできます。
印象や評価を示す言い換え表現
調査対象やデータ、先行研究などに対して、何らかの印象や評価を述べたいときにも、「感じる」という言葉が使われがちです。しかし、レポートでは、より客観的な視点から印象や評価を記述することが求められます。例えば、ある企業の取り組みについて「先進的だと感じる」と記述する代わりに、「先進的な取り組みであると評価できる」や「先進的な事例として注目される」のように表現することができます。「評価できる」は、一定の基準に基づいて価値判断を行ったことを示し、「注目される」は、客観的に見て特筆すべき点があることを示唆します。また、「〇〇の特徴が見受けられる」「〇〇という印象を受ける」といった表現も有効です。「彼のレポートは丁寧だと感じる」であれば、「彼のレポートには丁寧さがうかがえる」や「彼のレポートからは丁寧な仕事ぶりが見て取れる」のように言い換えることで、具体的な観察に基づいた印象であることを伝えられます。「見受けられる」「うかがえる」「見て取れる」は、直接的な断定を避けつつ、観察結果から導かれる印象を客観的に示す際に役立ちます。さらに、「〇〇と評される」「〇〇と見なされる」といった受動態の表現を用いることで、個人的な感情ではなく、一般的な評価や見解として述べることができます。「この方法は効果的だと感じる」は、「この方法は効果的であると広く認識されている」や「この方法は効果的な手法の一つと見なされている」のように表現すれば、より客観性が高まります。これらの言い換えを駆使することで、「感じる」に頼らずとも、対象に対する印象や評価を的確に、そして客観的に伝えることが可能になります。
推測や可能性を示す言い換え表現
レポートでは、データや事実に基づいて、まだ確定していない事柄について推測したり、将来の可能性について言及したりする場面があります。このような場合に「感じる」を使うと、根拠の薄い主観的な憶測と捉えられかねません。そこで、推測や可能性を示す場合にも、より適切な言い換え表現を用いることが重要です。例えば、「今後、市場が拡大すると感じる」という表現は、「今後、市場が拡大すると推測される」や「今後、市場が拡大する可能性があると考えられる」のように言い換えるのが望ましいでしょう。「推測される」は、現状のデータや傾向から論理的に導かれる結論であることを示唆します。「可能性がある」は、不確実性を含みつつも、起こりうる事態として言及する際に適しています。また、「示唆される」という言葉も有効です。「この結果は、新たな問題の発生を感じさせる」は、「この結果は、新たな問題の発生を示唆している」とすることで、データが暗示する内容を客観的に示すことができます。さらに、「〇〇する見込みである」「〇〇する蓋然性が高い（低い）」といった表現も、将来予測の確度を伝える際に役立ちます。「プロジェクトの成功を感じる」は、「プロジェクトは成功する見込みである」や「プロジェクトが成功する蓋然性は高いと考えられる」のように表現することで、単なる期待感ではなく、根拠に基づいた見通しであることを示すことが可能です。これらの表現を用いることで、「感じる」という曖昧な言葉を避け、レポートにおける推測や可能性の記述に、より客観性と信頼性を持たせることができるでしょう。論文など、より厳密さが求められる文章では特に有効な言い換えとなります。
感覚や気づきを示す言い換え表現
調査や実験、分析などを通して、これまで気づかなかった点を発見したり、特定の感覚や認識を得たりすることがあります。このような気づきや認識を表現する際にも、「感じる」を避けて、より具体的な言葉を選ぶことが推奨されます。例えば、アンケート調査の結果を見て「回答者の不満を感じる」と記述する代わりに、「アンケート結果から、回答者の不満がうかがえる」や「アンケート結果には、回答者の不満を示す記述が見られる」のように表現することができます。「うかがえる」や「見られる」は、具体的なデータや観察に基づいて気づきを得たことを示します。また、「認識する」「把握する」といった言葉も有効です。「議論を通して、問題の複雑さを感じた」は、「議論を通して、問題の複雑さを認識した」や「議論を通して、問題が多岐にわたる点を把握した」とすることで、思考プロセスを経て理解に至ったことを明確に伝えられます。さらに、「明らかになった」「判明した」という表現は、調査や分析によって新たな事実や知見が得られたことを示す際に適しています。「フィールドワークで、地域住民のニーズを感じた」は、「フィールドワークによって、地域住民の具体的なニーズが明らかになった」や「フィールドワークの結果、地域住民が〇〇を求めていることが判明した」のように表現することで、発見の客観性を強調できます。「読み取れる」「見て取れる」なども、データや資料から特定の情報を引き出したことを示す際に使えます。「報告書から、組織の課題を感じる」は、「報告書から、組織が抱えるいくつかの課題を読み取ることができる」や「報告書には、組織の課題を示す記述が見て取れる」のように言い換えることが可能です。これらの表現を活用することで、単なる感覚的な気づきではなく、具体的な根拠に基づいた発見や認識であることを効果的に示すことができます。
レポート作成で役立つ「感じる」以外の言い換え一覧と注意点
ここではレポート作成で役立つ「感じる」以外の言い換え、特にレポートで頻出する可能性のある表現の言い換えについて説明していきます。「強く思う」「だと思う」「考えた」「言っていた」といった言葉も、「感じる」と同様にレポートでは使い方に注意が必要な場合があります。これらの言葉をどのように言い換えれば、より客観的で説得力のあるレポートになるのか、具体的な言い換えの候補と、それぞれの表現を使う際の注意点を解説します。レポートで「考える」が多い、あるいは「考える」はだめなのか、といった疑問にも触れながら、表現の幅を広げるヒントを探っていきましょう。順に見ていきましょう。
「強く思う」の言い換えレポートでの使い方
「だと思う」の言い換えレポートでの客観性
「考えた」の言い換えレポートでの表現法
「言っていた」の言い換えレポートでの引用法
レポートで「考える」が多い場合の対処法
「感じる」のレポートでの言い換え総まとめ
「強く思う」の言い換えレポートでの使い方
レポートで「強く思う」という表現を使いたくなるのは、自身の意見や主張を強調したいときかもしれません。しかし、「強く思う」は主観的で感情的な響きが強く、客観性が求められるレポートにはあまり適さない可能性があります。「強く思う」の言い換えをレポートで検討する場合、その強調したい内容の根拠を明確に示すことが重要です。「この施策が必要だと強く思う」と記述する代わりに、具体的なデータや理由を挙げて、「データAとBに基づけば、この施策の必要性は明らかである」や「〇〇という理由から、この施策は不可欠であると結論付けられる」のように表現する方が説得力が増します。「明らかである」「不可欠である」「結論付けられる」といった言葉は、強い確信を客観的な根拠に基づいて示唆します。また、主張の重要性を伝えたいのであれば、「〇〇は特に重要であると考えられる」「〇〇の意義は大きいと評価できる」といった表現も有効です。「特に重要である」「意義が大きい」は、客観的な視点から価値を強調するニュアンスを持ちます。あるいは、「〇〇と断言できる」「〇〇と確信している」といった表現も考えられますが、これらは非常に強い断定となるため、その根拠が確固たるものである場合に限定して使用するのが賢明でしょう。レポートにおいては、感情的な「強く思う」ではなく、論理的な根拠に基づいた強い主張を示す表現を選ぶことが、読み手の信頼を得る上で効果的です。安易に「強く思う」を使うのではなく、なぜそう言えるのか、その理由を明確に示す言葉を選ぶことを心がけると良いでしょう。
「だと思う」の言い換えレポートでの客観性
「だと思う」という表現は、日常会話では頻繁に使われますが、レポートにおいては注意が必要です。「だと思う」は、書き手の個人的な推測や意見を示すため、客観性に欠ける印象を与えやすいからです。「だと思う」の言い換えをレポートで考える場合、その推測や意見の根拠を明確にすることが求められます。「原因は〇〇だと思う」と書く代わりに、具体的な分析結果やデータを示して、「分析結果Aから、原因は〇〇であると推察される」や「データBは、原因が〇〇であることを示唆していると考えられる」のように表現する方が客観性が高まります。「推察される」「示唆していると考えられる」は、根拠に基づいた推論であることを示し、断定を避けつつも論理的なつながりを表現できます。また、完全に断定できないまでも、ある程度の確信がある場合には、「〇〇の可能性が高い」「〇〇と見られる」といった表現も使えます。「この方法は有効だと思う」であれば、「この方法は有効である可能性が高い」や「この方法は有効な手段の一つと見られる」のように言い換えることで、主観的な判断を避けつつ、蓋然性を示すことが可能です。さらに、複数の意見や解釈が存在しうる場合には、「〇〇という解釈も成り立つ」「〇〇という見方もできる」のように、多様な視点があることを示唆する表現も有効です。レポートでは、個人的な感想のような「だと思う」ではなく、事実やデータに基づいた論理的な推論や考察を示す言葉を選ぶことが重要です。これにより、レポート全体の信頼性を高めることができます。「感じる」の言い換えと同様に、「だと思う」も客観的な表現に置き換えることを意識しましょう。
「考えた」の言い換えレポートでの表現法
レポートの作成プロセスにおいて、様々な事柄について「考えた」結果を記述する場面は多いでしょう。しかし、単に「〇〇について考えた」と記述するだけでは、具体的にどのような思考プロセスを経て、どのような結論に至ったのかが伝わりにくい場合があります。「考えた」の言い換えをレポートで検討する際には、思考の内容や結果をより具体的に示す表現を選ぶことが効果的です。例えば、「解決策について考えた」と書く代わりに、「解決策として、A案とB案を比較検討した」や「〇〇の問題点に対する解決策を考察した」のように記述することで、どのような思考活動を行ったのかが明確になります。「比較検討した」「考察した」は、具体的な思考のプロセスを示します。また、考えた結果、何らかの結論や見解に至ったことを示したい場合は、「〇〇と結論付けた」「〇〇という見解に至った」「〇〇であると判断した」などの表現が使えます。「今後の方向性について考えた」結果として、「今後の方向性として、〇〇を優先すべきだと結論付けた」や「調査結果に基づき、今後の方向性は〇〇であると判断した」のように記述すれば、思考の成果を明確に伝えられます。さらに、思考のプロセス自体を説明したい場合には、「〇〇の観点から検討した」「〇〇の理論を適用して分析した」のように、どのような視点や手法を用いたのかを具体的に示すことも有効です。レポートにおいては、「考えた」という行為そのものよりも、その思考の内容、プロセス、そして結果を具体的に記述することが重要です。これにより、レポートの論理構成が明確になり、読者の理解を助けることができます。レポートで「考える」が多いと感じる場合は、このように具体的な動詞に言い換えることで、表現の単調さを避けることも可能です。
「言っていた」の言い換えレポートでの引用法
レポートを作成する中で、インタビュー対象者や専門家、あるいは先行研究の著者などが「言っていた」内容を記述する必要がある場面があります。しかし、単に「〇〇さんが～と言っていた」と記述するのは、やや口語的で、レポートの文体としては適切でない場合があります。「言っていた」の言い換えをレポートで考える際には、より客観的で正確な引用表現を用いることが重要です。最も基本的な言い換えは、「述べた」「指摘した」「主張した」「言及した」などです。例えば、「専門家は、この問題の重要性を言っていた」は、「専門家は、この問題の重要性を述べた（指摘した）」のように表現できます。「述べた」は客観的に発言内容を伝え、「指摘した」は問題点などを具体的に挙げたニュアンスを含みます。「主張した」は、特定の意見や立場を明確に表明した場合に使われます。インタビューなどの一次資料からの引用であれば、「〇〇氏はインタビューにおいて～と語った」や「〇〇氏によれば～とのことである」といった表現も可能です。「語った」「～とのことである」は、伝聞であることを示しつつ、発言内容を伝えます。先行研究の内容を引用する場合は、「〇〇（著者名, 出版年）は～と論じている」「〇〇によれば～とされている」のような学術的な引用スタイルを用いるのが一般的です。「論じている」「～とされている」は、研究論文などでよく用いられる表現です。重要なのは、誰が、いつ、どこで発言した内容なのかを正確に明記し、必要であれば出典情報（文献名、ページ番号、URLなど）を付記することです。これにより、情報の信頼性が担保され、レポートの客観性が高まります。「言っていた」という曖昧な表現を避け、正確な引用表現を用いることが、レポート作成における基本的な作法と言えるでしょう。
レポートで「考える」が多い場合の対処法
レポートを作成していると、「考える」「考えられる」といった表現を多用してしまうことがあります。思考や考察を示す上で便利な言葉ですが、頻繁に繰り返されると文章が単調になったり、稚拙な印象を与えたりする可能性も考えられます。レポートで「考える」が多い場合の対処法としては、まず、本当に「考える」が最も適切な表現なのかを吟味することが挙げられます。前述の通り、「考察する」「検討する」「分析する」「判断する」「推察する」「示唆される」「思われる」「見なされる」など、文脈に応じてより具体的な動詞に言い換えることで、表現のバリエーションを豊かにすることができます。例えば、「この結果からAだと考える」を、「この結果はAであることを示唆している」や「この結果に基づきAだと判断される」と言い換えるだけで、文章のニュアンスが変わります。また、「考える」の主語を明確にすることも有効です。「～と考えられる」のように受動態を多用するのではなく、「筆者は～と考える」「本研究では～と考察する」のように、誰の思考なのかを明示することで、責任の所在が明確になり、文章が引き締まることがあります。ただし、レポートの種類によっては、筆者の主観を前面に出すことが適切でない場合もあるため、文脈に応じた判断が必要です。さらに、必ずしも全ての思考プロセスを「考える」という言葉で表現する必要はありません。「データAとデータBを比較した結果、〇〇という傾向が見られた」のように、思考のプロセスや結果を客観的な事実として記述することも可能です。レポートで「考える」を使うのはだめ、ということではありませんが、多用しすぎていると感じたら、これらの言い換えや記述方法を試してみることで、より洗練された読みやすいレポートを作成することができるでしょう。
「感じる」のレポートでの言い換え総まとめ
今回は「感じる」の言い換えについて、レポートで使いやすい表現を中心に幅広くお伝えしました。以下に、本記事の内容を要約します。
・レポートでは客観性と具体性が求められるため「感じる」の多用は避けるべきである
・「感じる」は主観的で曖昧な印象を与えやすい
・「感じる」を言い換える際は思考、判断、印象、評価、推測、可能性、感覚、気づきなど伝えたいニュアンスで選ぶ
・思考や判断を示す言い換え：「考える」「思われる」「判断される」「考察される」
・印象や評価を示す言い換え：「見受けられる」「印象を受ける」「見て取れる」「うかがえる」「評価できる」「注目される」「評される」「見なされる」
・推測や可能性を示す言い換え：「推測される」「示唆される」「可能性がある」「傾向がある」「見込みである」「蓋然性が高い（低い）」
・感覚や気づきを示す言い換え：「認識する」「把握する」「読み取れる」「見て取れる」「明らかになった」「判明した」「うかがえる」
・「強く思う」は感情的なため「明らかである」「不可欠である」「結論付けられる」「特に重要である」「意義が大きい」など根拠と共に示す
・「だと思う」は主観的なため「推察される」「示唆していると考えられる」「可能性が高い」「見られる」「解釈も成り立つ」「見方もできる」など根拠と共に示す
・「考えた」は具体的に「比較検討した」「考察した」「結論付けた」「見解に至った」「判断した」「～の観点から検討した」「分析した」など
・「言っていた」は口語的なため「述べた」「指摘した」「主張した」「言及した」「語った」「～とのことである」「論じている」「～とされている」など正確な引用表現を使う
・引用時は誰がいつどこで発言したか、出典情報を明記する
・レポートで「考える」が多い場合は「考察する」「検討する」「分析する」「判断する」など類語への言い換えや主語の明確化、客観的事実の記述を試みる
・「考える」を使うこと自体がだめなのではなく、多用による単調さを避ける工夫が有効である
・適切な言い換え表現を選ぶことでレポートの客観性、具体性、説得力が高まる
この記事で紹介した「感じる」やその他の表現の言い換えが、あなたのレポート作成の一助となれば幸いです。様々な表現をストックし、文脈に合わせて使い分けることで、より質の高いレポートを目指してください。応援しています。
