文章を書く際、特に論文やビジネス文書など、フォーマルな場面では言葉遣いに気を配る必要があります。日常会話でよく使われる「～たり、～たり」という表現は、便利な一方で、ややくだけた印象を与えたり、冗長になったりすることがあるかもしれません。論文においては、客観性や論理性が重視されるため、「たり」の使用は避けた方が良い場面も考えられます。しかし、具体的にどのように言い換えれば良いのか、迷う方もいらっしゃるのではないでしょうか。特に、論文での「たり」の言い換えや、ビジネスシーンでの適切な表現、小論文や履歴書での使い方など、具体的な場面に応じた言い換え方法を知りたいという声も聞かれます。また、「したりする」という表現がおかしいと感じる理由や、「なったり」の言い換えについても気になるところでしょう。「たり」の言い換え表現は多岐にわたり、文脈に合わせて適切な言葉を選ぶことが、文章の質を高める上で重要になる可能性があります。この記事では、「たり」の言い換え表現について、論文やビジネス文書、その他の様々なシーンで活用できる言い換え方法を幅広く調査し、分かりやすく解説していきます。
この記事を読むことで、以下の点が理解できるでしょう。
・「たり」の基本的な意味と、論文などで使用を避けた方が良いとされる理由
・具体的な場面に応じた「たり」の言い換え表現のバリエーション
・論文やビジネス文書に適した、よりフォーマルで的確な表現方法
・「したりする」や「なったり」といった類似表現の言い換えに関するヒント
「たり」の言い換えを探る！論文で使える表現の基礎知識
ここでは、「たり」の言い換え表現について、特に論文というフォーマルな文書作成の場面を想定し、その基礎知識を深掘りしていきます。「たり」は便利な表現ですが、論文においてはより正確で客観的な言葉遣いが求められることがあります。そのため、「たり」が持つニュアンスを理解し、どのような場合に言い換えが必要になるのか、そしてどのような言い換え表現が考えられるのかを具体的に見ていきましょう。論文での「たり」の言い換えに関する様々な疑問を解消し、より洗練された文章作成の一助となることを目指します。順に見ていきましょう。
「たり」とは？基本的な意味と用法
論文で「たり」を避けるべき理由
「たり」の言い換え候補1：列挙や並列
「たり」の言い換え候補2：動作の繰り返し
「たり」の言い換え候補3：具体例の提示
ビジネスシーンでの「たり」の言い換え
「たり」とは？基本的な意味と用法
「たり」は、主に二つの意味合いで使われることが多い助詞です。一つ目は、いくつかの動作や状態の中から一部を例として挙げる用法です。「週末は本を読んだり、映画を見たりして過ごします」のように使われ、他にも様々な過ごし方があることを含意します。この用法は、動作や状態を限定せず、いくつか例示したい場合に便利です。二つ目は、互いに対立する、あるいは関連性の低い動作や状態が交互に、または不規則に繰り返されることを示す用法です。「彼は部屋を行ったり来たりしていた」や「天気が良かったり悪かったりする」などがこれにあたります。このように、「たり」は並列や例示、反復といった意味合いを持ち、口語表現としては非常に広く使われています。話し言葉では、これらのニュアンスを柔軟に伝えられるため重宝されますが、書き言葉、特に正確性が求められる文章においては、その曖昧さが問題となる可能性も考えられます。例えば、例示のつもりが、聞き手によってはそれだけを行っていると解釈されるかもしれません。そのため、文脈に応じてより明確な表現を選ぶことが望ましい場合があるでしょう。基本的な意味と用法を理解しておくことは、適切な言い換えを考える上で第一歩となります。
論文で「たり」を避けるべき理由
論文は、客観的な事実や論理的な考察に基づいて主張を展開する学術的な文書です。そのため、使用する言葉には高い正確性と明確性が求められます。前述の通り、「たり」には例示や並列、反復といった複数の意味合いがあり、文脈によっては曖昧な印象を与えかねません。例えば、「先行研究ではAという手法を用いたり、Bという分析を行ったりしている」と記述した場合、AとBの両方を行ったのか、どちらか一方なのか、あるいはそれ以外の手法も存在するのかが不明確になる可能性があります。論文においては、読者が誤解なく内容を理解できるよう、具体的な情報を過不足なく伝えることが重要です。また、「たり」はやや口語的な響きを持つため、論文の格調や客観性を損なうと捉えられることもあります。研究の成果を厳密かつ論理的に示すという論文の目的に照らし合わせると、「たり」の持つ曖昧さや口語的な響きは、不適切と判断される場合が多いと考えられます。もちろん、絶対に「たり」を使ってはいけないというわけではありませんが、より的確でフォーマルな表現を選択することで、論文全体の説得力や信頼性を高めることにつながるでしょう。これらの理由から、論文執筆においては「たり」の使用を意識的に避け、代替表現を検討することが推奨される傾向にあります。
「たり」の言い換え候補1：列挙や並列
「たり」が持つ意味の一つである「例示」や「並列」のニュアンスを、より明確に伝えたい場合の言い換え表現について考えてみましょう。論文のような正確性が求められる文章では、曖昧さを排除し、情報を具体的に示すことが重要です。例えば、「資料を収集したり、分析したりした」という文は、いくつかの作業の中から代表的なものを挙げていることを示唆しますが、具体的に何を行ったのかが明確ではありません。このような場合、「資料の収集および分析を行った」のように「および」や「ならびに」といった接続助詞を用いることで、行った作業を明確に並列させることができます。より多くの項目を列挙する場合は、「資料の収集、実験の実施、結果の分析、考察の記述を行った」のように読点（、）で区切る方法も有効です。また、「～や～など」を用いて、「資料の収集や分析など、複数の作業を行った」と表現することも可能です。ただし、「など」も例示のニュアンスを含むため、行った全ての作業を網羅的に示す必要がある場合は避けるべきかもしれません。さらに、「加えて」や「さらに」、「また」といった接続詞を用いて文を区切り、それぞれの動作や状態を個別に記述する方法も考えられます。「まず資料を収集した。加えて、収集したデータに基づき分析を行った。」のように表現することで、各ステップを明確に示すことができます。これらの表現は、「たり」よりも具体的かつフォーマルな印象を与え、論文における記述としてより適切と言えるでしょう。
「たり」の言い換え候補2：動作の繰り返し
「たり」が持つもう一つの意味、つまり動作や状態が繰り返されることを示したい場合の言い換えについて考察します。「彼は部屋を行ったり来たりしていた」のような反復動作を表現する場合、論文においてはより客観的で具体的な描写が求められることがあります。「行ったり来たり」は口語的であり、状況によってはやや稚拙な印象を与える可能性も否定できません。このような場合、「彼は部屋を何度も往復した」や「彼は部屋の中を繰り返し歩き回った」のように、「何度も」「繰り返し」「往復する」といった言葉を用いることで、反復の事実を明確に伝えることができます。状態の変化が繰り返される場合、例えば「天気が良かったり悪かったりする」という表現は、「天候が不安定である」や「天候が周期的に変化する」、「晴天と雨天が繰り返される」のように言い換えることが考えられます。これにより、単なる天候の変動だけでなく、その不安定さや周期性といった側面をより具体的に示すことが可能です。また、「増えたり減ったりする」という状況であれば、「増減を繰り返す」「変動する」「増減が見られる」といった表現が適しているでしょう。これらの言い換え表現は、「たり」を用いるよりも客観的で、具体的な状況を正確に描写するのに役立ちます。論文においては、観察された現象や実験結果などを記述する際に、このような明確な表現を選ぶことが、内容の信頼性を高める上で重要になると考えられます。
「たり」の言い換え候補3：具体例の提示
「たり」を用いていくつかの例を挙げる場合、その意図が「あくまで例示であり、他にも存在する」というニュアンスを強調したい時があるかもしれません。論文においても、具体的な事例をいくつか示しつつ、それが全てではないことを示唆したい場面は考えられます。しかし、「たり」を使うと曖昧さが残る可能性があるため、より明確な言い換え表現を検討することが望ましいでしょう。例えば、「本研究では、アンケート調査を行ったり、インタビューを実施したりしてデータを収集した」という文は、他にもデータ収集方法があった可能性を示唆しますが、断定的ではありません。これをより明確に例示として示すには、「本研究におけるデータ収集方法としては、例えばアンケート調査やインタビューが挙げられる」のように、「例えば～などが挙げられる」という表現を用いることができます。これにより、提示されたものが代表的な例であることが明確になります。また、「～をはじめとする」「～などの」といった表現も有効です。「アンケート調査をはじめとする複数の方法でデータを収集した」や「アンケート調査やインタビューなどの手法を用いた」と表現することで、例示であることを示しつつ、他の可能性も示唆できます。さらに、「具体的には、～や～などが考えられる」のように、「具体的には」を冒頭に置くことで、続く内容が具体例であることを強調する方法もあります。これらの表現は、「たり」よりも例示であることを明確に伝え、論文における記述の正確性を高めるのに役立つと考えられます。
ビジネスシーンでの「たり」の言い換え
ビジネスシーンにおいても、論文と同様に、あるいはそれ以上に言葉遣いの正確さや丁寧さが求められます。特に、報告書や企画書、メールなどのビジネス文書では、「たり」の使用は避けた方が無難な場合が多いでしょう。例えば、上司への報告で「今日は資料を作成したり、会議に出席したりしました」と伝えると、やや曖昧で、具体的な業務内容が伝わりにくい可能性があります。「たり言い換えビジネス」の観点からも、より適切な表現を心がけたいところです。このような場合、「本日は資料作成と会議への出席を行いました」のように、「と」や「および」を用いて行った業務を明確に並列させるのが良いでしょう。複数の業務を行った場合は、「本日は、資料作成、会議への出席、〇〇社への連絡を担当いたしました」のように、読点を用いて具体的に列挙するのが一般的です。クライアントへの提案などで複数の選択肢を示す際に「たり」を使いたくなるかもしれませんが、「プランA、プランB、プランCの中からお選びいただけます」や「機能Xや機能Yなどのオプションがございます」のように、具体的な選択肢を明示したり、「～や～など」を用いたりする方が、よりプロフェッショナルな印象を与える可能性があります。また、「～したり、～したりする予定です」といった今後の予定についても、「～と～を実施する予定です」や「まず～を行い、次に～を進めます」のように、具体的な行動計画を示す方が、相手に安心感を与え、信頼を得やすくなるでしょう。ビジネスコミュニケーションにおいては、明確さと丁寧さを意識した言葉選びが重要です。
多様な場面での「たり」の言い換え：論文から日常まで応用可能な表現集
ここでは、論文に限らず、小論文や履歴書、日常的な書き言葉など、より多様な場面における「たり」の言い換え表現について、さらに詳しく掘り下げていきます。「たり」の言い換えは、文脈や目的、そして読み手によって最適な表現が異なります。例えば、小論文での「たり」の言い換えには、論文ほど厳密ではないものの、ある程度の客観性と論理性が求められるでしょう。また、「したり」という形での言い換えや、履歴書という特殊な文書における表現、「したりする」がおかしいと感じられる理由、「なったり」の言い換えなど、具体的な形での疑問にも対応していきます。「たり～たり」を書き言葉でどう表現するか、そのバリエーションと使い分けのヒントを探っていきましょう。順に見ていきましょう。
小論文で「たり」を言い換えるコツ
「したり」の言い換えパターン集
履歴書で「したり」を避ける表現
「したりする」がおかしいと感じる場面
「なったり」の言い換え表現例
「たり」の言い換えと論文での使い方まとめ
小論文で「たり」を言い換えるコツ
小論文は、特定のテーマについて自分の意見や考えを論理的に述べる文章です。論文ほど厳密な学術性が求められるわけではありませんが、やはり客観的で分かりやすい表現を心がける必要があります。「小論文たり言い換え」を考える上でのコツは、論文と同様に「たり」の持つ曖昧さを避け、より具体的な言葉を選ぶことです。例えば、自分の経験を述べる際に「部活動で練習したり、試合に出たりした」と書くよりも、「部活動では、日々の練習に加えて、週末には対外試合にも参加した」や「部活動の練習と試合への参加を通して、協調性を学んだ」のように、具体的な活動内容や、それを通して得た学びなどを明確に示す方が、説得力が増す可能性があります。複数の理由や根拠を挙げる場合も、「～という理由があったり、～という背景があったりする」とするよりは、「理由としては、第一に～が挙げられる。第二に、～という背景も存在する」のように、箇条書きや接続詞を用いて整理すると、論理的な構成が際立ちます。「たり」を使うと、どうしても列挙した事柄の重要度や関連性が曖昧になりがちです。小論文では、自分の主張を支える根拠を明確に示すことが重要ですので、「および」「ならびに」「また」「さらに」といった接続語や、「～や～などの」「～をはじめとする」といった表現を適切に使い分けることで、より論理的で説得力のある文章を目指すことができるでしょう。
「したり」の言い換えパターン集
「～したり、～したり」の形で使われることが多い「たり」ですが、「～したり」と単独で使われることもあります。例えば、「昨日は友人と食事したりした」のような文です。この場合も、やはり曖昧さが残る可能性があります。「食事した」だけで十分な場合もありますし、食事以外にも何かしたことを含意したいのであれば、それを具体的に示す方が親切かもしれません。「昨日は友人と食事をした後、映画を見た」のように、具体的な行動を付け加えるなどが考えられます。「したり言い換え」のパターンとしては、まず「する」の具体的な内容を示す動詞に置き換えることが基本となります。「調査したりする」であれば「調査を行う」「調査を実施する」。「検討したりする」であれば「検討を加える」「検討を行う」。「確認したりする」であれば「確認作業を行う」「内容を確認する」などです。これらはよりフォーマルで、特にビジネス文書や論文に適した表現と言えるでしょう。また、文脈によっては「～などの活動を行う」「～といった作業を実施する」のように、「など」や「といった」を用いて、例示であることを示しつつ具体的な動詞で言い換える方法もあります。例えば、「地域貢献活動として、清掃活動をしたり、イベントの手伝いをしたりしている」は、「地域貢献活動として、清掃活動やイベントの手伝いなどを行っている」や「地域貢献活動として、清掃活動をはじめとする様々な取り組みに参加している」のように言い換えることで、より具体的な活動内容と、それが例であることを示すことが可能です。
履歴書で「したり」を避ける表現
履歴書は、自身の経歴やスキル、自己PRなどを採用担当者に伝えるための重要な書類です。限られたスペースの中で、正確かつ簡潔に情報を伝える必要があり、曖昧な表現や口語的な表現は避けるべきです。特に自己PRや職務経歴の欄で「～したり、～したり」という表現を使うと、具体的な行動や成果が伝わりにくく、主体性や積極性に欠ける印象を与えてしまう可能性があります。「したり言い換え履歴書」のポイントは、具体的な「動詞」で実績や経験を表現することです。例えば、「営業活動で新規顧客を開拓したり、既存顧客との関係を強化したりしました」と書く代わりに、「営業活動において、新規顧客を〇〇件開拓するとともに、既存顧客との関係強化に努め、売上向上に貢献しました」のように、具体的な行動と、可能であれば quantifiable な成果（数値化できる成果）を盛り込むと良いでしょう。「資料を作成したり、プレゼンを行ったりした」も、「〇〇に関する資料を作成し、役員向けプレゼンテーションを実施しました」のように、具体的な内容を記述します。「資格取得のために勉強したり、セミナーに参加したりした」であれば、「〇〇の資格取得に向けて学習に励み、関連セミナーにも積極的に参加して専門知識を深めました」のように、目的意識や主体性をアピールする表現にすると効果的です。履歴書では、「～を実施」「～を担当」「～を達成」「～に貢献」「～を習得」など、能動的で具体的な動詞を用いることで、自身の能力や経験を効果的に伝えることができるでしょう。
「したりする」がおかしいと感じる場面
「したりする」という表現は、文法的に間違っているわけではありませんが、状況によっては冗長に感じられたり、やや不自然に聞こえたりすることがあります。「したりするおかしい」と感じる主な理由は、多くの場合「～する」だけで意味が通じるからです。例えば、「確認したりする」は「確認する」で十分ですし、「調査したりする」も「調査する」で事足ります。「したり」の部分が蛇足に感じられるケースが多いのです。特に、ビジネス文書や論文など、簡潔で的確な表現が求められる場面では、「したりする」という言い方は冗長であり、避けた方が良いとされる傾向にあります。「勉強したりする」「運動したりする」といった日常的な行動についても、「勉強する」「運動する」と言い切る方が自然に聞こえることが多いでしょう。「したりする」を使うことで、「断定を避けたい」「習慣的に行っているわけではないけれど、たまにする」といったニュアンスを加えようとする意図があるのかもしれません。しかし、そのニュアンスが必ずしも効果的に伝わるとは限らず、むしろ回りくどい印象を与えてしまう可能性があります。もし断定を避けたいのであれば、「～することもある」「～する場合がある」といった表現を用いたり、頻度を示したいのであれば「定期的に～する」「時折～する」などの副詞を使ったりする方が、より明確で自然な日本語になることが多いと考えられます。
「なったり」の言い換え表現例
「～になったり、～になったり」や「～になったりする」という表現も、「たり」を含むため、同様に言い換えが検討されることがあります。「なったり」は状態の変化を示す際に使われますが、これも曖昧さを含む可能性があります。例えば、「状況が良くなったり悪くなったりする」という表現は、具体的な変化の内容が不明確です。「なったり言い換え」としては、状態の変化をより具体的に示す言葉を選ぶことがポイントになります。「状況が良くなったり悪くなったりする」は、「状況が変動する」「状況が不安定である」「好転と悪化を繰り返す」のように言い換えることができます。「部長になったり、課長になったりした」のような人事に関する表現であれば、「部長や課長などの役職を歴任した」や「部長、次いで課長に就任した」のように、具体的な役職名と経緯を示す方が正確です。「病気が良くなったり悪くなったりしている」であれば、「病状が一進一退である」「病状が不安定である」「寛解と再燃を繰り返している」といった表現が考えられます。これらは、単に状態が変わるだけでなく、その変化のパターンや性質をより詳しく伝えることができます。「～になる可能性がある」という意味合いで「～になったりするかもしれない」と言う場合もありますが、これも「～になる可能性がある」「～となることも考えられる」のように、可能性を示す表現に置き換える方が、よりフォーマルで明確な印象を与えるでしょう。状態変化を記述する際には、具体的な変化の内容や程度、頻度などを示す言葉を選ぶことが、分かりやすい文章作成につながります。
「たり」の言い換えと論文での使い方まとめ
今回は「たり」の言い換えと論文での使い方についてお伝えしました。以下に、本記事の内容を要約します。
・「たり」は例示、並列、反復などの意味を持つ助詞である
・口語では便利だが、書き言葉、特に論文では曖昧さから避けられる傾向がある
・論文で「たり」を避ける理由は、正確性や明確性、客観性が求められるためである
・「たり」の言い換え（列挙・並列）：「および」「ならびに」「、」「～や～など」「加えて」「さらに」「また」などを用いる
・言い換え例（列挙）：資料の収集および分析を行った
・言い換え例（列挙）：資料の収集、実験の実施、結果の分析を行った
・「たり」の言い換え（反復）：「何度も」「繰り返し」「往復する」「変動する」「増減を繰り返す」などを用いる
・言い換え例（反復）：彼は部屋を何度も往復した
・言い換え例（反復）：天候が不安定である
・「たり」の言い換え（具体例提示）：「例えば～などが挙げられる」「～をはじめとする」「～などの」「具体的には～や～」などを用いる
・言い換え例（例示）：データ収集方法としては、例えばアンケート調査やインタビューが挙げられる
・ビジネスシーンでも「たり」は避け、「と」「および」「、」で並列・列挙するのが望ましい
・小論文でも「たり」を避け、具体的な動詞や接続詞で論理的に記述する
・履歴書では「したり」を避け、具体的な動詞で実績や経験、能動性を示す
・「したりする」は冗長に感じられることが多く、「～する」で十分な場合が多い
・「なったり」も同様に、「変動する」「不安定である」「～を歴任した」「一進一退である」など具体的に言い換える
「たり」は便利な表現ですが、論文やビジネス文書など、フォーマルな文章を作成する際には、その曖昧さがデメリットとなる可能性があります。文脈に合わせて「および」「ならびに」「また」「例えば」「～などの」「繰り返し」といった、より明確で具体的な表現に言い換えることを検討してみましょう。適切な言葉を選ぶことで、文章の説得力や信頼性を高めることにつながるはずです。
